近年重要な社会問題となっている「万引き」。その被害額は年間4500億円以上。万引き倒産という言葉があるように、店にとっては死活問題です。
しかし世の中には「万引きされる店」と「されない店」があるのです。その違いは何なのでしょうか?
近年の万引き被害の現状
小売業、サービス業などの店において多発している万引き犯罪。万引きと言うと、例えば空き巣や強盗といったプロ的な窃盗に比べて、「魔が差した」「ちょっとやってみたかった」と罪の意識が軽く、もしバレたとしても大した罪ではないと捉えられがち。ですが、万引きも空き巣と同様、刑法235条窃盗罪にあたる犯罪行為であり、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
警察庁の調査によれば、万引きの認知件数は平成16年の約16万件をピークに、緩やかな下降線を辿っており、平成23年の認知件数は約14万件でした。
ただし犯人の年齢層が平成15年では未成年者が約4割(42%)でトップだったのに対し、平成23年では未成年者が約2割(22%)と減少したのに対し、高齢者の割合が3割(30%)となり、万引き犯の3人に1人が高齢者となっています。
その被害額は大きく、平成23年度では年間4500億円を超えているそうです。
万引きされる店の特徴について
今や万引きは大きな社会問題となっており、商業を営む企業にとって損失は死活問題。誰も自分の店の商品が万引きされることなど望んでいません。しかし実際のところ、「万引きされる店」と「されない店」があるのは事実です。
近頃はネットを通じて万引き犯同士が店の情報をやり取りし、この店は簡単にできるなどという情報はすぐに広まるそうです。
ターゲットにされやすい店の特徴としては、以下の状況があげられます。
- 店舗内に死角(見えない部分)がある(見えない所で万引き犯は商品を盗む)
- 店舗内の店員、または周りにお客が少ない(気づかれずに盗める)
- 防犯カメラが設置されていない
- 万引き防止装置が設置されていない
万引きされない店の特徴について
防犯意識が低い店舗を狙って、万引き犯は押し寄せますので、万引きされない店が以下のような特徴があるのです。
- 棚の配置や商品の陳列位置を工夫して死角がない店内
- 店員の増員や、客への挨拶、声掛けの徹底する
- 防犯カメラを設置している
- 万引き防止装置を設置している。
ですが、死角をなくすと言っても、棚の配置が難しいと素人では判断しづらいのもあるでしょう。防犯カメラもどこに設置すると効果的なのかわからない。そのような店では、防犯整備士などプロの力を借りて改善に取り組む店も増えています。自力でするより費用は掛かりますが、将来的な万引きの損失を考えると、その方がお得かも知れません。
万引き対策に強力な防犯グッズ
万引きをされないために、さまざまな防犯グッズが存在します。ここでいくつかのグッズをご紹介します。
防犯カメラの設置
防犯カメラを設置すれば安心という訳ではありません。的確に設置しなければ十分は防犯効果が得られないでしょう。
防犯カメラを設置する箇所は、売場や出入り口、駐車場など客の出入りのある場所など、撮影対象者の顔がはっきりと認識できるようにすることが大切です。
また撮影された映像は一定期間保管するようにし、カメラのアングル調整、レンズの清掃なども心がけるよう努めてください。
万引き防止装置の設置
万引き防止装置は、店舗内の商品に直接タグを取りつけ、レジを通さずにタグのついた商品を店舗の外へ持ち出そうとした際に、警告音を鳴らして周りに知らせる装置をいいます。
タグシステムの導入
人気商品、高額商品、何気なくカバンやポケットに入れられそうな商品は防犯タグをあらかじめつけて販売するのも良いでしょう。これらのタグがつけられた商品はレジで精算せずにゲートを通過して外に持ち出すと警報音を発します。
ドラッグストアの化粧品などは小さくコンパクトなものが多いため、簡単に万引きされてしまいます。
人気商品などはこのような防犯タグであらかじめ万引きをできないようにしておくことが被害を最小限にしてくれます。タグをつけると同時にこのような防犯タグがついている旨の表示も店内にしておくとなおのこと万引き犯は諦める可能性が高くなります。
鍵つきショーケースでの陳列
高額商品等、万引きされた場合に被害が大きい商品はあらかじめ鍵つきのショーケースに入れておくようにしましょう。客から店員に声かけがあった場合だけショーケースを開け、商品を取り出すようにすれば高額商品を万引きされる確率が低くなるかと思います。
特に高級化粧品や香水などは近年、万引きされて転売されるケースも多くこのような形で販売するのが望ましいといいます。
[kanren postid="6110"]