エレベーターは密室だからこそ危険度が増します。ですが、高層階の建物増加に伴い、エレベーター内を安全な空間になるよう、その技術も進歩しています。
ビルやマンションのセキュリティにシステムに組み込まれた、エレベーターについて触れてみようと思います。[/voice]
危険と隣り合わせ、密室のエレベーター
高層住宅にあるエレベーターは、繁華街にあるデパートのそれのように、いつも人で溢れている訳ではありません。朝の通勤、通学の時間帯を除けば、大抵人の出入りは少なくなります。
そしてエレベーターは密室です。扉が閉まってしまえば、どこかの階に停まるまで、誰も助けてくれない場所ともいえるでしょう。
一元管理によるセキュリティシステム
建物の高層化が進み、今やオフィスビルやデパートだけではなく、10階以上の高層マンションなど当たり前の時代となりました。普段何気なく使っているエレベーターですが、そこで働く人や買い物客、住人にとって必要不可欠なものとなっています。
エレベーターの種類や数の増加に伴い、より早く、より安全に動かすため、様々な技術が開発されてきました。その中にはセキュリティに関するものもあります。
今、オフィスビルやマンションのセキュリティは、包括的そして統合的に管理されています。
オフィス、テナントビルの場合
オフィスやテナントビルでは、共用入口や各オフィスの扉に指紋認証やカード読み取り機などを設置し、人の入出の管理を行っていますが、その一環として、セキュリティレベルの高い階には、許可した人しか降りられないようエレベーターが制御されています。具体的には、
1.キースイッチ(階を押すボタンの横に鍵穴がついていて、鍵を差し込みロックを解除しないと、その階にはとまれない)
2.特殊操作用ボタン(階を押すボタンの中に数字の書いていないダミーボタンがあり、それを押すことにより特定の階に停まる、警報装置が作動するなど特殊な動作を行う)
3.テンキースイッチ(行先階ボタンの下にテンキー(0~9までのボタン)があり、特定の数字(暗証番号)を入力することによりロックが解除される)
その他、エレベーター内部に監視カメラを設置し、その映像を他の場所と合わせて統合的に監視することも行われています。
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マンションの場合
近年建てられたマンションには、共用入口にインターホンがある物件が大多数を占めます。住人なら暗証番号を、来客なら訪問先の部屋番号を入力して、ロックを解除しないと中には入れないオートロックシステムが装備されているところは少なくありません。
このシステムとエレベーターを連動させて、エレベーターに乗った際、指定した部屋番号以外の階には止まらないように自動運転を行うシステムがあります。
また、エレベーターの扉をガラス張りにすることで、外部からも見えるようにしたり、非常ボタンを押すとエレベーターに取り付けた警報装置が作動し、警告音で外部に異常事態を知らせると共に、最寄の階に緊急停止し、さらに警備会社への連絡も自動で行ってくれるシステムもあります。
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防犯意識の高まりでセキュリティ強化
人々の防犯意識の高まり、そしてカメラを含む設備技術の進歩を受け、エレベーターに防犯カメラを付けることは、もはや当たり前のようになっています。
防犯カメラを付けることにより、カメラに常に監視されているという意識が犯罪を未然に防ぎます。また、万が一犯罪が起こってしまった場合でも、カメラの映像を解析することで、犯人の早期逮捕へつなげることができるのです。